酒免許の買取

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 お酒の免許の買取について

 「お酒の免許を買い取りしたい」というご相談をいただきます。お酒の免許は、当然のことながら、売買の対象になりえません。では、「お酒の免許を買い取りする」ということは、どのようなケースをさすのでしょうか。

 一般的には、お酒の免許がある会社(以下、「譲渡人」とよびます)のお酒事業の営業を譲り受け、自社(以下、「譲受人」とよびます)で引き続きお酒を販売するケースです。このような場合、仕入先や販売先等を引き継ぐことはできますが、お酒の免許自体が自動的に引き継がれることはありません。というのは、お酒の免許は「人」と「場所」をセットにして付与されているためです。営業の譲受を受けて、販売者(「人」)が変更になる場合は、新たにお酒の免許の申請が必要です。

 お酒の免許の買取について

 それでは、お酒事業の営業を譲り受け、自社でお酒を販売するためには、どのようなお酒の免許申請が必要でしょうか。免許申請については、小売免許と卸免許で分かれます。小売業免許申請については、譲受人による新規免許申請が必要です。営業譲受だからといって、申請の手続きが緩和されている訳ではなく、お酒の免許を申請してから免許がおりるまでの標準的な期間は、約2カ月です。そのため、営業の譲受を受けてお酒を販売するためには、綿密な事業計画をたてて実行することが必要です。そうしなければ、営業の譲受を受けても、お酒を販売できない期間が生じてしまいます。

 卸売業免許については、お酒の事業の譲受に伴い、ある一定の条件に沿ってお酒の免許申請をすることにより、全酒類卸売業免許ビール卸売業免許に規定されている需給調整要件を満たしていなくても、お酒の免許を取得することができます。ある一定の条件とは、次のとおりです。

a)譲渡人のお酒の免許の取り消し申請と、譲受人のお酒の新規申請書を同時に提出すること

b)譲受人が人的要件と経営基礎要件を満たしていること

*人的要件 酒類の販売業の業務に引き続き10年以上従事したこと等

*経営基礎要件 債務超過ではないこと等

c)譲渡人の販売実績が、一定の量以上であること。

(全酒類卸売業免許:100キロリットル ビール卸売業免許:50キロリットル)