月別アーカイブ: 2015年11月

中国への日本酒の輸出

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 海外での日本酒の需要は高く、その流れで、8カ国(アメリカ、カナダ、韓国、中国、台湾、ベトナム、オーストラリア、ベトナム)で現地生産されています。工場数では約20で、そのうち6社が中国で最多です。日系資本が多いですが、中には現地資本の生産工場もあります。
 ただ、日本酒は日本の「國酒」であり、日本文化を象徴するものです。海外で日本酒の製造が行われている現状では、原産地の表示等、日本ブランドの確立が急務です。そして、日本酒の輸出の対象になるには、現地生産では手に入らない、日本を原産地とする日本ブランドのお酒です。
 特に、中国の日本酒市場において、日本産のお酒に対する需要は高く、今後、より一層の需要が見込まれます。というのは、日本酒が飲食店等で提供される機会は増えましたが、ローカルなスーパー等に陳列され、日常的に購入されるという状況にはないためです。なお、現在の中国向けの日本酒の輸出額は4.1億円です。
 上記のとおり、中国での日本酒の需要は高く、今後も成長が見込まれる分野です。お酒を輸出するには、輸出先国毎に対策が必要であり、中国でも同様です。中国では輸入業者が総代理店になり、商社系食品問屋・中国系食品問屋に卸される。その後、商社系食品問屋からは、日本食レストランや日系スーパーに、中国系食品問屋からは中華料理屋や外資系スーパーに流通します。なお、中国では流通時に製品管理に必須の冷蔵設備が完備されていない場合もあり、品質管理に留意する必要があります。

 

赤字決算の法人がお酒の免許を申請する際の留意点

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 お酒の免許の申請の際、法人であれば決算が審査の対象になります。審査の対象になるのは、直近3期の事業年度の決算内容です。具体的には、次の2点です。

1)直近の決算が債務超過でないこと

2)直近3期、全ての期で資本金等の2割以上の赤字でないこと

1)は、貸借対照表の純資産の部の数値を確認してください。△(マイナス)であれば、申請することができません。

2)は、資本金に対する各期の赤字率を計算する必要がありますが、「全ての期」でというのがポイントです。例えば、資本金等の2割以上の赤字であった期があっても、その他の期に問題がなければ、申請することができます。

 さて、会社の決算内容が、お酒の免許申請に求められる基準に満たない場合、どのようにすればよいでしょうか。

 経営努力をし、次回決算で基準を満たすようにすることが、原則です。ただ、取引先との関係や、売上増加のためにお酒の販売が必要等、次期決算を待つことができない場合もあります。その場合は、試算表等を確認し、決算期変更して税務申告を行ったうえで、申請をするという方法があります。場合によっては、借入金の現物出資や、債務免除等が必要な場合がありますので、詳細を検討する必要があります。